産業用工場の最新設計基準

適正な基準に基づいて工場を設計するにはどうすればよいのでしょうか。ベトナムにおける一般的な工業用工場の設計基準とは何でしょうか。本記事では、BMB が採用している最新の標準工場設計基準についてご紹介します。

1. 工場床（フロア）の設計基準

現在、TCVN 2737:1995 に基づいて工場床を設計する場合、施工業者は地形・地質・水文地質条件に関する基本原則を調査し、これを遵守する必要があります。また、着工前に適切な地質調査および地盤計画を準備することが重要です。

工場フロアには以下の種類があります：

• コンクリートフロア
• 鉄筋コンクリートフロア
• 耐衝撃性鋼ビレット付きコンクリートフロア
• 酸やアルカリ腐食に耐えるコンクリートフロア
• セメントタイルフロア、鋼フロア
• 木製およびプラスチック製の板フロア
• アスファルトコンクリートフロア

各カテゴリはプロジェクトの要件や技術的能力に応じて適用されます。

コンクリートフロアは、長さが0.6m未満の各セルで設計されます。各セルの間にビチューメンを挿入する必要があります。ライニングコンクリートの厚さは、最小0.1mである必要があります。工場フロアは平坦で頑丈であり、水の排出に効果的です。

2. 工場基礎（ファウンデーション）の設計基準

堅固で安定した工場基礎は、TCVN 2737:1995 に規定される荷重基準および設計要求を満たす必要があります。基礎は建物全体を支持する最重要構造であり、地形・地盤条件からの影響に十分耐えられるよう設計されなければなりません。基礎設計における主な要件は以下のとおりです。

• 工場床（フロア）のレベルは、基礎天端レベルより高く確保すること。

鋼柱・壁フレーム柱・鉄筋コンクリート柱の基礎立ち上がり高さの標準は、

鋼柱：0.2m、壁枠柱：0.5m、RC柱：0.15m とする。

• 増築や拡張工事を行う場合、柱基礎は既存柱に隣接して配置し、構造連続性と沈下差を抑制する設計とする。
• 基礎構造は、絶縁材（防湿層）および防錆・防食材により適切に保護し、基礎本体への腐食・劣化の影響を最小限に抑えること。

3. 屋根およびトップライト（屋根ドア）の設計基準

屋根勾配（ルーフスロープ）の設定には、使用する屋根材に応じて適切な勾配を選定する必要があります。

屋根勾配の標準値

• セメント屋根シート：30% ～ 40%
• トタン（カラー鋼板）屋根：15% ～ 20%
• 鉄筋コンクリート屋根：5% ～ 8%

排水システム

工場の用途・寸法により、屋内排水（内樋） または 屋外排水（外樋） を採用します。

• 内樋を使用する場合は、排水が溝に沿ってスムーズに流れるよう、樋カバー（排水カバー） を追加設置する必要があります。
• 柱の高さが低く、スパンの狭い一体構造の工場では、屋根面からの自然流下方式（外排水）が一般的に採用できます。
• 一方、建物高さが 5.4m 以上 の場合は、ダウントラフ（縦樋）排水システム の設置が義務付けられています。

屋根ドア（トップライト）の設計基準

• 屋根ドア（トップライト）の最大長さ：48m
• 使用するガラス（または採光材）の最小厚さ：3mm、かつ確実に固定されていること。
• 工場の照明計画や換気設計によっては、別の補助設備で光・通気を確保できるため、トップライトを設置しないケースもあります。

4. 壁および間仕切り（パーティション）

プレエンジニアリング鋼建物の設計基準には次のようなものがあります：

• 耐荷重壁（荷重支持壁）
• 埋め込み壁
• 自立壁（自立式パーティション）

スカーティングデザインにはビチューメン、モルタルまたはセメント防水レンガを含める必要があります。壁の足元に設ける防湿層は75のセメントモルタルで、20cmの厚さで仕上げられたフロアに水平に置かなければなりません。

工場間の仕切り壁は、技術の変化や設備の修理の要件を満たすために、組み立てや解体が便利でなければなりません。

木の板、金属メッシュ、コンクリート、合板パネルなどの材料を用いて仕切りを作成できます。スパンサイズが12m以下の製造者の場合、柱の高さは6mを超えないこととし、壁の耐荷能力を確保する必要があります。

5. 窓およびドア（開口部）

標準の工場ドアは、以下のカテゴリを満たす必要があります：

• ドアは外側に開く必要があります。
• 高さと幅は車両が通行できるほど広くなければなりません。高さは20cm未満、幅は50cm未満です。
• ドアの下部から右側の高さは2m4未満である必要があります。
• 窓やドアは工場に自然光を確保する必要があり、動きやすさを持っている必要があります。

6. 伸縮目地（エクスパンションジョイント）

• 熱膨張ジョイントは、2つのジョイントの間に60m未満のスペースで設計されています。
• 工場が7レベル以上の地震の危険地域に建設される場合、膨張ジョイントは耐震ジョイントと一致しなければなりません。
• 荷重支持構造の熱膨張ジョイントの設計は、基礎から屋根までの高さ構造から独立している必要があります。

7. 階段

工場設計基準によると、階段は以下の条件を満たす必要があります。

• 階段は 鉄筋コンクリート製 とし、勾配は 1:2（傾斜角度約26.5°）。
• 蹴上（段の高さ）150mm、踏面（段の幅）300mm を標準寸法とする。
• ケージ（キャビン）を持たない非常階段は勾配 1:1 とすることができる。
• 階段幅は 0.6m 以上。
• 緊急避難対策として、屋外避難階段 を必ず設計する。
• 手すり高さは 0.8m 以上。

8. フロア（床構造）

• フロアは外部の影響に耐えるために鉄筋コンクリートで作成されなければなりません。
• 過度の圧力を回避するために、別個の台座の設計が義務付けられています。
• フロアフレームは鋼製でなければなりません。

9. 付帯建築（サブストラクチャー / 付属施設）

• 付帯工事は特定のブロックに従って設計されなければなりません。
• 位置は建物に対して風向きの末端に設けてはいけません。
• 生産エリアには通気および照明システムが必要です。

10. トンネル・溝（ピット・ダクト）

• 入口ドアと技術ネットワーク間の距離は、100m以下である必要があります。
• ドアには手すりが必要で、輸送エリアの外に配置されなければなりません。
• ドアの位置は交通に影響を与えないよう設計されなければなりません。
• ケーブルピットや排水溝には、集水槽（ピット）および排水設備を設ける。

11. プラットフォームおよび高架橋（ラック架台・高架構造）

• TCVN 4604:2012 の工場設計基準に基づき、高架橋は用途に応じて分類されます。
  橋梁および配管ラック（パイプラック）の設計では、荷重照査が特に重要です。
• 鉄道支線を支持する高架橋の標準高さは 1.8m、3.1m、6m、9m とします。
  これ以上の高さを要求する場合は、合理的根拠を示す書類を提出し、承認を得る必要があります。
• レールの安定運行のため、作用荷重を精密に計算しなければなりません。
• 通路部は 舗装スラブ を設置します。
• 高架タンク（架台タンク）は 0.2% の勾配 を設けます。

12. コンベヤー通路（コンベヤーギャラリー / ベルトコンベヤ架台）

• 通路の中心間の距離は12m、15m、18m、24m、30mです。
• コンベヤーのドア間の最大距離は100mです。
• はしごは60度の傾斜があります。
• コンベヤー通路は、天井床に対して6Mの倍数の高さで設計され、地下の床は3Mの倍数です。
• 通路のほこりは、圧縮空気で水圧により清掃可能で、排水システムが完備されています。
• コンベヤー通路には自然換気システムが必要です。

13. バンカー（貯鉱槽・ホッパー）

• 鉄筋コンクリートを使用することが望ましいです。
• 口を対称形で計算し設計する必要があります。
• バンケの計算能力は80%未満です。
• 内側の角は丸める必要があります。
• 外層には耐火材料を使用します。

14. サイロおよびサイロブロック

• 鉄筋コンクリート材料の使用が優先されます。
• 主要な部分には不燃材料を使用する必要があります。
• 断面は3mの直径で円形に設計されており、四角形でも可能です。
• サイロブロックの長さと幅の比は3未満です。
• サイロには少なくとも2つの出口を確保する必要があります。
• サイロの中央には排出口を配置しなければなりません。

15. 足場・メザニン用支持ステージ（サポートフレーム）

• フロアラックやメザニンに対しての列の間隔は、6m x 6m および 6m x 9mです。ラックの高さは12Mの倍数で、4.8mを超えなければなりません。足場の着地ステージの倍数は6Mです。
• 耐火レベルIおよびIIに対しては、不燃材料で設計することが推奨されます。
• 耐火レベルIIIおよびIVの建物には、不燃材料の使用が優先されます。
• 鉄鋼構造には、耐火ペイントを施し、耐火限界が0.75hの材料が必要です。

16. 煙突（チムニー）

• レンガ煙突は直径が0.8m以上、鉄筋コンクリート煙突は直径が3.5m未満でなければなりません。
• 煙突の高さは60m未満です。
• 鋼煙突には硬直補強材が必要です。
• 工場設計基準TCVN 4604:2012に従い、煙突の内面には保護層が必要です。
• 煙突の外側には落雷と照明の保護システムが必要です。
• 空気ダクトと煙突の間には膨張ジョイントが必要です。
• 煙突の形状はプロジェクトによって異なります。

17. 電気システム

• 設備要件および技術能力に基づいて設計。
• 使用材料は周囲環境条件に適合する必要。
• 機器は最適な品質基準で選定。
• 配線ソケットは 最大電圧36V のもの を使用すること。

18. 給排水システム

• 内部・外部の給排水は専門家との協議の上で設計。
• 地質・水文地質調査により排水位置の座標を確定。
• 廃水は種類ごとに分類。
• 雨水排水溝には カバー（グレーチング） が必要。

19. 換気および空調

• 作業および技術条件に基づいて換気および空調を設計します。
• 自然の空気を利用することが推奨されます。
• 自然換気システムは、仕切りや壁が合理的であり、交互の気流を作成することを保証する必要があります。
• 機械的方法を使用して空気のほこりを清掃するのは、特定の条件下でのみ行います。
• 高温キャビンには保護空調が必要です。

上記の情報は最新の工場設計基準についてのものです。BMBスチールは、この情報が企業や契約者がより素晴らしく高品質な建物を完成させる手助けとなることを願っています。